通貨とは他の通貨に対する価値が絶えず変動する商品である、ということが一度理解できれば、FX取引のコンセプトはシンプルです。FXトレーダーは、通貨を買う(または売る)ことによって、外為レートの動きから利益を得ることを目指します。FXの良さは、取引コストが非常に低いということです。つまり、トレーディングはごく短期間、文字通り数秒で行うことも、逆に長期間の間に行うことも可能であることを意味します。
例:
あるトレーダーは、EURのUSDに対する価値がまもなく上昇すると信じ、EUR 1,000,000を1.5000で買いました。まもなく、レートは1.5050となり、トレーダーはUSD 5,000のポジションをクローズしました。
EUR 1,000,000 を1.50 で= USD 1,500,000
EUR 1,000,000 を1.505 で= USD 1,505,000
差額 = USD 5,000の利益
主要通貨ペア
世界には約170もの通貨が存在しています。けれども、取引は6つの「主要」通貨ペアに集中しており、これらが総出来高の約2/3を占めています。
主要通貨ペアは以下の通りです:
EUR/USD (27%)
USD/JPY (13%)
GBP/USD (12%)
AUD/USD (6%)
USD/CHF (5%)
USD/CAD (4%)
通貨ペアリング
FXでは、通貨の建値は常に他の通貨に対する相場で提示されるものです。基準通貨は、その際の基準となるものです。例えば、EUR/USDの建値ではEURが基準通貨で、建値はEURを買うのにどれだけのUSDが必要かを定めるものです。同様に、USD/JPYではUSDが基準通貨で、レートはUSDを買うのにどれだけのJPNが必要かを定めるものです。
ビッドとオファー(アスク)
ビッドは特定のFX通貨ペアに対して、市場が支払う意思がある値です。オファー、またはアスクは、市場が売る用意がある値です。
例えば、USD/CHFの建値が1.1650/1.1653である場合、ビッドは1.1650、オファーは1.1653です。建値はその「少数」のみに省略されることも少なくありません。この場合、電話での建値は50/53となります。
ビッドとオファーの差額をスプレッドと言います。
ピップ
「ピップ」(プライス・インテレスト・ポイント)は、通貨ペアの値の最小変動のことを指します。大半の通貨の場合(ただしUSD/JPYを除き) 、レートは小数点以下4桁まで表示されます。1ピップは、カウンター通貨の1/10,000または0.0001を表しています。 GBP/USDの場合、1.6319での1ピップの変動は、1.6320になります。USD/JPYのピップは、小数点以下2桁(1/100または 0.01)まで表示されます。
利益と損失の計算
MIGトレーディング・ステーション等、最新のプラットフォームの大半は、オープン・ポジションのトレーダーの損益(P&L)を自動的に計算してくれます。これにより、トレーダーは市場の動きを追跡することが可能です。これらの計算の仕組みを理解することは、すべてのトレーダーにとって大変重要です。
以下のチャートは、MIGが提供する通貨ペアの概要、各通貨ペアのロットサイズ、ロット単位のピップバリューを示しています。以下のP&Lの例は、このチャートに基づくものです:
Currency Pair | Mini Spread | Standard Spread | VIP Spread | ECN Spread |
---|---|---|---|---|
AUDCAD | 3.9 | 3.3 | 2.5 | 0.3 |
AUDCHF | 4 | 3.4 | 2.6 | 0.3 |
AUDJPY | 3.8 | 3.2 | 2.4 | 0.8 |
AUDNZD | 4.7 | 4.1 | 3.3 | 0.9 |
AUDUSD | 3.2 | 2.6 | 1.8 | 0.1 |
CADJPY | 3.9 | 3.3 | 2.5 | 0.6 |
CADCHF | 3.9 | 3.3 | 2.5 | 0.3 |
CHFJPY | 4 | 3.4 | 2.6 | 2.2 |
EURAUD | 3.8 | 3.2 | 2.4 | 0.2 |
EURCAD | 4.1 | 3.5 | 2.7 | 0.8 |
EURCHF | 3.6 | 3 | 2.2 | 0.6 |
EURGBP | 3.2 | 2.6 | 1.8 | 0.3 |
EURJPY | 3.2 | 2.6 | 1.8 | 0.3 |
EURUSD | 2.8 | 2.2 | 1.3 | 0.1 |
EURNZD | 5.2 | 4.3 | 3.2 | 0.6 |
GBPAUD | 4.4 | 3.8 | 3 | 0.7 |
GBPCAD | 4.4 | 3.8 | 3 | 1.1 |
GBPCHF | 4.6 | 4 | 3.2 | 0.5 |
GBPJPY | 4.3 | 3.7 | 2.9 | 1.1 |
GBPUSD | 3 | 2.4 | 1.6 | 0.4 |
GBPNZD | 5.2 | 5 | 4.2 | 2.1 |
NZDJPY | 4.2 | 3.6 | 2.8 | 1.1 |
NZDUSD | 3.5 | 2.9 | 2.1 | 0.5 |
NZDCHF | 4.2 | 3.7 | 2.9 | 0.5 |
NZDCAD | 4.2 | 3.3 | 2.9 | 0.7 |
USDCAD | 3.2 | 2.6 | 1.8 | 0.3 |
USDCHF | 3.3 | 2.7 | 1.9 | 0.6 |
USDJPY | 2.8 | 2.2 | 1.4 | 0.2 |
USDSGD | 3.6 | 2.8 | 1.9 | 1 |
EURSGD | 4.2 | 3.8 | 2.2 | 2.2 |
USDHUF | 21.2 | 20.1 | 18 | 5.4 |
EURHUF | 21.2 | 20.1 | 19.2 | 5.1 |
USDPLN | 33.6 | 23 | 22 | 15.7 |
EURPLN | 33.6 | 23 | 22 | 19 |
USDCNH | 30 | 25.7 | 22.4 | 16.1 |
USDDKK | 35.5 | 30 | 25.4 | 2.9 |
EURDKK | 35.5 | 30 | 25.4 | 10.1 |
USDNOK | 35.5 | 28.6 | 27.3 | 8.4 |
EURNOK | 35.5 | 30.7 | 23.8 | 13.6 |
USDSEK | 43 | 36.6 | 30 | 20.2 |
EURSEK | 54 | 45 | 39 | 10.3 |
USDHKD | 38 | 32.3 | 26.9 | 1.5 |
USDRUB | 432 | 368 | 320 | 135 |
USDMXN | 85.6 | 74.7 | 67.2 | 66.5 |
注意: 上記のスプレッドは可変で、表に指定されたレベルから始まります。 |
損益計算-例
EUR/USD 3ロットを1.3196で売り、1.3122で買った場合:
この例では、クライアントは74ピップス * 3ロット = 222ピップスの総利益を上げました(買った価格よりも高い価格で売ったため)。 EUR/USDのピップバリューは、USD10であるため、総利益は= 222ピップス * USD 10/ピップ = USD 2,220となります。
USD/JPY 2ロットを117.75で買い、117.32で売った場合:
この例では、クライアントには43ピップス * 2ロット = 86ピップスの総損失が発生しました(買った価格よりも低い価格で売ったため)。 USD/JPYのピップバリューは、1,000 JPYで、これは1000/117.32(ポジション・クローズ時のUSD/JPYの価格)に相当 = 約USD 8.524であることから、クライアントの総損失は= 86ピップス * USD 8.524/ピップ = USD 733.06となります。
EUR/GBP 2ロットを0.8615で売り、0.8526で買った場合:
この例では、クライアントは89ピップス * 2ロット = 178ピップスの総利益を上げました。 EUR/GBPのピップバリューは、10 GBPで、これは10 * 1.8500(ポジション・クローズ時のGBP/USDの価格は1.8500だったと仮定して)に相当 = USD 18.50であることから、クライアントの総利益は= 178ピップス * USD18.50/ピップ = USD 3,293となります。